私はあなたに発見された
先日まで、日本経済新聞の「私の履歴書」は民俗学者の谷川健一さんが執筆されていた。
その中で特に印象に残った言葉があったので紹介したい。
谷川氏は、同じく民俗学者であるが当時まだ無名であった宮本常一氏と出会い、その博学に震撼したそうだ。その後、偶然にも宮本氏と路上でばったり出会ったとき、宮本氏から当時を振り返って「谷川さん、私はあなたに発見された」といったそうだ。非常に感動的なシーンである。
人の能力を見抜く、もしくは見出すということは、他人の人生に影響を与え、さらに自分の人生をも有意義なものへ昇華することのできる非常に重要な出来事では無いだろうか。
この話を読んで、以前話題になっていたイギリスのTV番組「Britain's Got Talent」のポール・ポッツさんのことを思い出した。この番組は野に埋もれた才能ある人材を発掘するテレビ番組であり、前述の内容と同じ土俵に上げることに抵抗はあるのだが、あえて紹介させていただきたい。
彼は子供時代から冴えない人生を歩み続け、携帯電話販売会社の目立たない社員であったが、子供の頃からいじめられると一人で歌を唄っていたその歌声を「タレント発掘ショー」で爆発させたのだ。
見た目からは想像できない(失礼。)素晴らしい歌声に審査員も観客も魅了されてしまい、辛口の審査員も思わず最大級の賛辞を贈ってしまうのである。
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こうしてポールポッツさんはそのTV内におけるコンテストを勝ち抜き、ついにメジャーデビューを果たしてしまうのである。さらに彼のサクセスストーリーの映画化も決まったそうだ。
このように、有り余る才能を埋もれさせている人材は確実に存在しているとは思うし、そこまでいかなくとも、誰しも少なからず人より優れた面は持ち合わせている。それを見出したり、輝かせる能力を自分自身もしくは自分に近い人間にあるかどうか、そして一歩踏み出す勇気があるかどうかで人生は変わるのではないだろうか。
(川西 健太)
